片付けはなぜ重要?子どもの「片付け力」を育む、年齢別おもちゃ収納のコツ
整理収納サービス『おうちデトックス』代表 大橋わか
お宅訪問件数450案件・1,500回以上。実生活でキレイを維持できる整理収納を教える片付けコンサルタントサービスおうちデトックスの代表
お子さんの成長とともに変化していくおもちゃや学用品の数々。
散らかった部屋を見て「片付けなさい!」と声をかけたことのある方も多いのではないでしょうか?
この記事では、3人の兄弟を育てる現役ママスタッフが、実体験を元に子どもの「片付け力」がなぜ大切なのか、子どもの年齢別に合わせた収納のコツや、お部屋をスッキリさせるための便利なアイテムもあわせてご紹介します。
楽しく、無理なく、お子さんと一緒に片付け習慣を身につけましょう!
プロフィール|津田 さよ
高校生、中学生、小学生の3兄弟の母。片付けが苦手だった上に出産を機に増えていくモノの管理と家事育児の両立に不安を感じ、整理収納アドバイザー資格を取得。現在は、自らの経験を活かし、おうちデトックス事務局のスタッフとして、同じような悩みを持つ方々のサポートに携わっている。
目次
なぜ子ども自身が片付けやすい「収納」が必要なの?
「どうしてうちの子は片付けができないの?」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。実は、子どもが片付けを嫌がる原因の一つに、収納の仕方が合っていないということがあります。
子ども目線に立った収納にし、子どもが自ら進んで片付けられるようにすることが大切です。その理由は次の4つが挙げられます。
1.自立心を育む
おもちゃや学用品など、子どもの周りにはたくさんのモノがあります。自分で物を整理整頓する経験は、「自分のことは自分で」という自立心を育む第一歩。責任感も芽生え、将来、社会に出てからも役立つ力を養います。
2.片付けの習慣を身につける
小さい頃から片付けの習慣を身につければ、大人になってからも「計画性」や「効率性」を意識できるようになります。散らかった部屋では集中できないため、勉強や読書の効率もアップします、
3.安全な環境を作る
おもちゃなどが散乱していると、転倒や怪我の原因に。収納場所を決め、きちんと片付けることで、安全な遊び場を確保できます。また、どこに何があるかすぐに分かるため、探し物をする時間も減り、ストレスも軽減されます。
4.心を豊かにする
整理された部屋は、心もスッキリさせ、集中力を高めます。創造性を育み、心身ともに健やかに成長できる環境作りに繋がります。
このように、子どもが使いやすい収納を整えることは、単に部屋を片付けるだけでなく、子どもの成長を支える重要な要素となります。子どもの年齢や発達段階に合わせた収納の工夫を行うことで、子どもの自立と成長を後押しすることにつながるのです。
片付けは子どもの成長を促すチャンス!
片付けは、計画性と実行力を養うための絶好の機会です。どこに何をしまうのか、あらかじめ計画を立て、それを実行に移すことで、子どもの計画性や実行力を身につけることができます。また、何から片付けるべきか、優先順位を考えることで、論理的な思考力も養うことができます。
成長とともに増える「やること」と「モノ」、そして減る「時間」
子どもは成長するにつれて、やらなければならないことがどんどん増えていきます。そして大人になると、仕事や家事、育児の両立に追われ、日々時間に追われているのではないでしょうか。特に、片付けに使える時間は限られており、年齢を重ねるごとにその時間は減っていきます。
おもちゃを片付けたり、洋服を畳んだりする経験は、子どもたちに「自分でできる」という自信を育みます。この小さな成功体験は、子どもたちの心に、「もっと何かをやってみたい!」という意欲を芽生えさせます。
片付けによって育まれる自立心、責任感、計画性、実行力、集中力、忍耐力、空間認識能力、達成感、これらの力はすべて、将来どんなことにも積極的に取り組める、自立した大人へと成長するための礎となります。
また、「片付け」は、大人になってから急に始めるよりも、子どもの頃から習慣として身につける方がずっと効果的です。子どもは、大人に比べて時間をかけて物事に取り組むことができ、柔軟な思考を持っています。小さな頃から「片付け」の習慣を身につけることで、将来仕事で書類整理をしたり、家事をこなしたりする際に、役立つスキルが自然と身につきます。
年齢別おもちゃの片付けと収納のコツと便利アイテム
子どもの成長を願うなら、「収納」を見直してみませんか?遊び心を取り入れた収納グッズや、子どもの目線に合わせた収納方法など、アイデアはたくさんあります。
ここからは、年齢別におすすめの片付け術や便利な収納アイテムをご紹介します。
0歳~2歳:片付けの芽生え期は遊びながら学ぶ
赤ちゃんは、周りの世界に興味津々!何でも口に入れてみたり、箱の中身をひっくり返してみたりと、遊びを通して五感を刺激し、成長していきます。赤ちゃんが箱からおもちゃを取り出す行為は、単なるいたずらではなく、「自分でものに触れてみたい」「世界を知りたい」という好奇心の表れです。この行動は、赤ちゃんの発達にとってとても大切なものです。赤ちゃんは「出す」ことは自然とできるようになりますが、「戻す」という行為は、少し意識して教えてあげましょう。「おしまいだね」「ここにお帰り」など、簡単な言葉で声かけをすることで、赤ちゃんは「戻す」という行為の意味を理解しやすくなります。箱にうまく入れたり、蓋を閉められたりしたら、たくさん褒めてあげましょう。
0歳~2歳の頃は、赤ちゃんが「片付け」の概念を少しずつ理解していく大切な時期です。遊びを通して、「出す」ことと「戻す」ことを体験させ、自然と片付けの習慣を身につけるように促しましょう。
【0歳~2歳期におすすめの片付け方】
✓おもちゃを運んで、遊びを広げよう!
おもちゃをカラーボックスやカゴに収納すると、遊びたい時にサッと取り出して、好きな場所で遊ぶことができます。たとえば、ブロックは大きなカゴに入れて、リビングで遊ばせたい時は大人がカゴごと運んでみましょう。片付けるときも、お子さんとそのカゴに入れて、大人がカゴごと元の場所に運べばOK!
✓絵を見て、どこへお片付け?
まだ文字を読めない小さなお子さんでも、おもちゃの絵や写真を見れば、どこへお片付けすればいいのかが分かります。たとえば、ぬいぐるみの絵をぬいぐるみの収納場所に貼るなど、視覚的に分かりやすくしましょう。
※おススメアイテム※
柔らかくて軽いので、持ち運びも便利で安心
3歳~5歳:楽しみながら片付ける意識を育てる
3歳から5歳は、何でも自分でやりたいと思う気持ちが強くなる時期ですね。そんなお子さんに、無理に片付けをさせようとしても、逆効果になることも。「遊び終わったおもちゃは片付けてから…」と、つい言いたくなってしまう気持ち、よく分かります。でも、この年齢のお子さんには、少し難しいかもしれません。そんな時は、遊びと一緒にお片付けをしてみましょう。
たとえば、「このおもちゃのおうちはどこがいいかな?」と、お子さんと一緒に考えてみましょう。このとき、大人から見てルールが違っても、お子さんの意見を尊重することが大切です。細かい仕分けよりも、大きなカゴにざっくりと入れる方法は、お子さんには分かりやすいのでおすすめです。また、「片付けると、遊びたいおもちゃがすぐに見つかるよ!」など、お片付けをするメリットを具体的に伝えたり、「床に何もないから、ゴロゴロできるね!」と、お片付け後の広々とした空間で一緒に遊ぶことも片付けを楽しみながら行う後押しになります。お子さんが成長していく中で、親心と子どもの成長の間で悩むこともあると思います。しかし、大人が思うルールと違ってもお子さんのペースに合わせて、少しずつお片付けの習慣を身につけていくことが大切です。
【3歳~5歳期におすすめの片付け方】
✓色や絵で楽しく整理整頓!
幼稚園や保育園では、子どもたちが自分でおもちゃを片付ける練習をしています。おうちでも、同じように定位置を作ってあげましょう。たとえば、おもちゃ箱を色分けして、それぞれのおもちゃの色と合わせることで、子どもたちは遊びながら自然と片付けを覚えます。また、おもちゃの絵が描いてあるカードを収納場所に貼ると、文字が読めなくてもどこへ片付ければいいか一目瞭然です。
✓褒めて伸ばす!子どものやる気を引き出す
子どもが自分で片付けできたときは、必ず褒めてあげましょう。「自分でできたね!すごい!」「ありがとう!」など、具体的に褒めることで、子どもは自信と達成感を味わえます。
※おススメアイテム※
百円ショップで売っているカラーのラベルでカンタン
手に入りやすく応用が利く
小学生低学年(6〜8歳):自主性を尊重した片付け指導
小学生低学年になると、自分のことは自分でやりたいという気持ちが芽生えてきます。そんな時期だからこそ、子どもに「自分の場所」を持たせてあげましょう。子ども専用の引き出しや棚を用意し、「ここは君の好きなように使っていいよ」と伝えます。一方で、リビングなど、家族で使う場所は、個人の持ち物を置かないなど、共用のルールを明確にしましょう。また、長期休み前には必ず片付ける、おもちゃは溢れないようにするなど、簡単なルールを一緒に考え、決めましょう。子どもが自分でできることを信頼し、声かけをすることで、自信につながります。子どもに片付けを教える上では、自主性を尊重することが大切です。子どもが自ら考え、行動できるよう、声かけや環境作りを工夫しましょう。そうすることで、子どもは責任感や自立心を育んでいくことでしょう。
【6歳~8歳期におすすめの片付け方】
✓子どもが自ら進んで片付けられる収納を用意
成長の早い小学生。自分でできることを増やしたいこの時期に、収納を通して自立心を育みましょう。子どもが自分で出し入れしやすいように、手の届く高さに収納スペースを設けましょう。
✓なんでもボックスで一時避難
いつも完璧に片付けるのは大人でも難しいですよね。手を抜いても片付けは続けられるよう「なんでもボックス」をつくるのがオススメです。それぞれの場所に分けて戻す時間がなかったり面倒な時は、なんでもボックスに戻すのでもOK。新しく買ってまだ場所が決まってないものも一時的に入れておきます。そのボックスがいっぱいになってきたらそれぞれの場所へ戻したり、新たな収納場所を決めましょう。
✓ラベリングとゾーニングで整理整頓
引き出しやボックスにラベルを貼ると、どこに何があるのかが一目で分かり、子どもも迷わず片付けられます。絵や文字で分かりやすくラベルを作成し、収納場所に貼ります。子どもが自分で読めるように、ひらがなや簡単な絵を使うと良いでしょう。また、おもちゃや学用品を種類別に収納できる仕切りや引き出しがあると、整理整頓がしやすくなります。
✓小さくゆるく習慣化する
毎日夕飯前にはテーブルの上には何も置かないように片付けるなど、小さくゆるくでいいので毎日続けられるような片付けをしましょう。家族みんなで協力すれば、あっという間に部屋がスッキリし、子どもは自然と家事の大切さを学びます。完璧を求めず、「みんなで楽しく」をモットーに、少しずつ「夕飯前10分、家族でリセット」を継続させましょう。急いでいる時や、手がつけられない時は、一旦別の場所に移動させても大丈夫。まずは、習慣化することが大切です。
※おススメアイテム※
なんでもボックスには大きめのボックスがオススメ
軽いので子どもでも持てるし、柔らかくて安全
小学生高学年(9〜12歳):責任感と自己管理能力の育成
小学生高学年になると、習い事や学校行事など、子どもたちは少しずつ自分たちで行動する機会が増えてきます。親としては、子どもがスムーズに活動できるよう、サポートしたい気持ちは山々ですが、そろそろ子どもに任せる勇気を持つことが大切です。
たとえば、遠足や長期休暇前の準備は、子ども自身に任せてみましょう。楽しみなイベントの前はやる気が出るので、その機会を逃さないように。試合に忘れ物をしてしまったとしても、子ども自身がその経験から学びます。子どもが自分でできることを増やしていく過程を見守り、必要であれば声かけをしましょう。親は子どもを信頼し、見守りながらサポートしていくことが大切です。失敗を恐れずに、子どもにさまざまな経験をさせてあげましょう!
【小学生高学年(9〜12歳)期におすすめの片付け方】
✓ゲーム感覚で楽しくお片付け
「お片付け」を楽しくするコツは、ゲーム感覚を取り入れること。家族みんなで一緒に片付けをする時間を決め、「1時間したらおやつ!」のように目標を定め、タイマーをセットしてスタートしましょう。時間の区切りがあるのとちょっとしたものでもご褒美があるということでやる気がアップします。時間や、捨てるプリントの数など、具体的な目標を設定することで、達成感が得られます。大切なのは、無理なく楽しく続けることです。
✓断捨離でスッキリ空間へ
「断捨離」という言葉、聞いたことありますか?要らないものを手放し、本当に必要なものだけを持つことで、心も部屋もスッキリする考え方です。まずは、スペースの限界を決め、自分の部屋からあふれ出したものは、一時的な置き場ではなく、処分を検討しましょう。同じ種類のものがたくさんある場合は、本当に必要な数だけ残します。半年や一年に一度、自分の持ち物を点検し、使っていないものは手放す習慣をつけましょう。
※おススメアイテム※
やわらかくて安全だが、しっかりもしている
蓋もついていてスタッキングが可能なので容量を増やせる
中学生以降:自室管理のプロフェッショナルへ
学校、部活、塾と忙しい毎日を送る中学生にとって、片付けは面倒に感じるかもしれません。しかし、片付けは単なる家事ではなく、より良い生活を送るための大切なスキルなのです。散らかった部屋では、勉強に集中できず、やる気がなくなってしまうかもしれません。また、必要な教材が見つからず、勉強の時間を無駄にしてしまうことも。どこに何があるのか分からず、慌ててしまい、結果として遅刻や忘れ物につながります。整理整頓された部屋は、集中力を高め、勉強や仕事のパフォーマンスアップにつながります。また、必要なものがすぐに見つかるため、朝の準備時間などが短縮できます。この時期の片付けには、自分らしい空間で、心地よく暮らすことが大切です。
【中学生以降におすすめの片付け方】
✓シンプルで機能的な収納
まずは、必要なものだけを持つことが大切です。本当に必要なものだけを残し、使わないものは処分しましょう。また、全ての物に定位置を決めておくと、片付けがスムーズに行えます。収納ボックスや引き出しなど、収納グッズを活用することで、見た目もスッキリし、収納効率もアップします。
✓好きなものを飾る
好きな写真を飾ったり、お気に入りの推し活グッズや雑貨を見せる収納にすることで、インテリアとしても楽しめます。収納のルールは、人それぞれ。自分にとって一番使いやすい方法を見つけましょう。
✓デジタルツールで賢く整理整頓
スマートフォンのアプリやパソコンのソフトを活用すれば、収納がもっと楽しく、効率的に行えます。たとえば、溜まった写真や学校の書類をクラウド上に保存することで、物理的なスペースを節約できます。また、収納やインテリアのアプリにはさまざまな収納アイデアや収納グッズの情報が満載。自分の部屋に合った収納方法を見つけられます。
※おススメアイテム※
カゴで仕切って細かい物の分類もしやすい
大物も小物も入れやすい
容量を増やしやすい
こんな時どうしたらいい?子ども部屋の片づけに関するQ&A
「子ども部屋の片づけ、どうすればうまくいくの?」と悩んでいる親御さんは多いのではないでしょうか。おもちゃが散らかり、毎日の片付けが一苦労になることもありますよね。子どもが成長するにつれて、片付けの方法や収納の工夫も変わってきます。ここからは、子ども部屋の片づけに関するよくある質問にお答えします。
Q.片付けが苦手な子どもへの対応は?
A.「完璧に片付けなければ」という考えは、子どもにとって大きなプレッシャーになります。まずは小さなことから始め、できたことを褒めることで、子どもは自信をつけ、片付けが楽しいものだと感じられるようになります。全てを一度に片付けさせようとするのではなく、まずは整理する場所を限定したり、片付ける時間を短くするなど、スモールステップから始めましょう。
Q.モチベーションを維持する方法は?
A.大人でも同じことが言えますが、お友達が来る前に一緒に部屋を片付けると、片付けようというモチベーションが上がりやすくなります。また、片付けをゲームのように楽しみながら行うのもおすすめです。大切なのは、子どもが「片付けは楽しい」と感じられるような環境を作ること。たとえば、片付けが終わったら、好きなおもちゃで遊んだり、お菓子を食べたりするなど、ちょっとしたご褒美を用意すると、片付けがスムーズに進みます。
Q.親の自分も片付けが苦手で、どうサポートしたら良いか分からない時はどうすればよいの?
A.プロからレクチャーを受けるという方法もあります。おうちデトックスでは、お客様と一緒に片付けを行うプランがありますので、直接お片付けの悩みを相談しながらプロと一緒に片付けて、片付け方を学ぶことができます。
片付けは、長期的な視点で子どもの成長を支えよう
片付けは、一日にして成るものではありません。継続して行うことで、自然と習慣化されていきます。そのためには、「完璧に」という考え方を捨て、「毎日少しずつ」を心がけることが大切です。子どもは、大人の行動をよく見ています。大人が片付けをしない生活を送っていると、子どもも真似をしてしまいます。大人が率先して片付けを行い、整理整頓された生活を送ることが、子どもにとって一番の教えになります。子どもが楽しみながら片付けに取り組めるような環境作りを心がけましょう。
まとめ:年齢に応じた片付けサポートで、子ども部屋がすっきり
子どもの成長とともに変化するおもちゃや持ち物。年齢に合わせた片付けサポートは、子どもが自ら整理整頓する習慣を身につけ、快適な生活空間を育む上で非常に大切です。お子様の成長をサポートするためにも、ぜひ、片付けの習慣を育んでいきましょう。